「KAWAZOE-ARCHITECTS Official Blog|建築に込める思想と日々」

設計事務所の日常と思想、住宅・店舗設計、リノベーションのリアルを綴るブログ。

「“内と外の境界”を曖昧にする設計」

壁や窓は、本来“内と外”を区切るものです。
しかし、建築家の視点では、その境界を“曖昧にする”ことで空間の豊かさが生まれることもあります。

完全に閉じることでも、完全に開くことでもなく、
内と外が“にじみあう”ような場所をつくる──
それが、私たちが追い求めている建築のあり方です。

境界線をなくす工夫

  • 軒下空間や縁側で“屋内と屋外の中間領域”をつくる
  • 大開口の引き戸で、室内と庭を一体化
  • 内外で連続する素材(たとえば床材)を使うことで視覚的な境界をなくす

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境界が曖昧だからこそ、奥行きが生まれる

境界がはっきりしすぎると、空間は小さく見えます。
しかし、半屋外・中間領域・視覚的抜けを用いることで、
視覚的にも心理的にも“空間の奥行き”が広がるのです。

  • リビングの先に見える中庭が、空間の延長になる
  • パーゴラや軒が、屋内に近い屋外空間を生む
  • 夜は屋外の照明が室内の一部のように感じられる

心地よさは、曖昧な場所から生まれる

人間にとって心地よい場所は、完全に囲われた空間だけではありません。
少し開いていて、風が抜け、光が揺れ、自然を感じられる──
そんな“半分外のような場所”が、日常をやさしく支えてくれます。

建築家が設計する“あいまいさ”

KAWAZOE-ARCHITECTSでは、
空間を分断するのではなく、“つなぐための境界”を設計します。
視線、風、素材、光…
それぞれが屋内外をまたぐように設計されていることが、
空間に奥行きと深みをもたらすと信じているからです。

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