建築と情報。空間は“見る”から“共有する”へ

建築は情報の“器”になった

かつて建築は、そこに行かなければ体験できないものでした。
しかし今、建築は写真・動画・3D・SNSを通して、瞬時に共有される存在になりました。
空間そのものが、情報として流通する時代です。

インスタグラムで拡散される店舗の壁面。YouTubeで紹介される住宅の空間。
それらは設計の意図を超えて、人々の感性の中で再構築されていきます。
店舗デザインでは、情報としての“見え方”も重要な設計要素です。

住宅もまた、プライベートな空間でありながら情報の一部になりつつあります。
間取り図や素材写真がSNSに流れ、暮らしそのものが発信される。
性能とデザインの家では、そうした時代の変化にも応える設計を行っています。

VRや3Dスキャンなどの技術によって、建築は「データとしての存在感」を強めています。
実物とデータが共存する時代に、設計者は両方を意識して空間を構築する必要があります。
Metabrain Lab では、建築と情報の融合をテーマに研究しています。

都市もまた、地図アプリ・SNS・AI解析によって、情報の層として存在しています。
もはや都市を歩くことは、“情報を歩く”ことでもあるのです。
ポートフォリオでは、現代都市を情報の流れとして捉えた設計も紹介しています。

建築はもはや物理的なものにとどまりません。
情報と一体化した空間の中で、私たちは新しい「場の感覚」を手に入れつつあります。