「KAWAZOE-ARCHITECTS Official Blog|建築に込める思想と日々」

設計事務所の日常と思想、住宅・店舗設計、リノベーションのリアルを綴るブログ。

住宅設計

全国の家づくりが変わる日──「間取りをつくらない建築」という選択肢

「間取りをつくらない家」という選択肢 家づくりの相談を受けていると、最初に必ず出てくる言葉があります。 「間取りを考えてきました」 A4用紙にギッシリ書き込まれた四角の集積。 でも、その多くは“暮らしの未来”ではなく、“過去に見た家の記号”の寄せ集…

香川で建築の質を上げる方法 ─ 建築家が知る土地と暮らしの相性

香川で“建築家に依頼する意味”はどこにあるのか 香川は、全国でも珍しい「建築の余白」が豊かな土地です。 都市ほど過密ではなく、郊外ほど単調でもない。 光の入り方、風の通り道、高低差、地域の空気感── この微妙な条件が建築の質に大きく影響します。 KA…

香川で“建築の未来”をつくる建築家 ― 生活と風景を編集する設計思想

地方の未来は“建築”によって変わるのか 香川で建築家として活動していると、「地方は都市より建築文化が育ちにくい」という声を耳にします。しかし実際には、香川は建築家にとって“設計の自由度が最も高い環境”でもあります。 理由は明快で、風景の密度と敷…

建築とノイズ。不完全さがつくる美しさ

建築とノイズ。不完全さがつくる美しさ ノイズとは、余白のこと 建築で言う“ノイズ”とは、設計の誤差でも欠陥でもありません。 むしろ、整いすぎない余白、つまり「人が感じる隙間」のことです。 そこにこそ、建築の魅力が生まれます。 完璧すぎる空間は、ど…

「建築と風景。風景を“つくる”のではなく、“受け入れる”ということ」

建築と風景。風景を“つくる”のではなく、“受け入れる”ということ 建築は風景を支配しない かつて建築は「風景を変えるもの」として語られてきました。 しかし本来、建築は風景の一部であり、その中に静かに溶け込む存在です。 主張ではなく、調和こそが“美し…

「建築と他者。孤独とつながりのあいだにある空間」

建築と他者。孤独とつながりのあいだにある空間 建築は“人と人の距離”をデザインする 建築の本質は、形ではなく関係にあります。 他者との距離感をどうつくるか。 そのわずかな間合いが、空間の居心地を決定づけます。 孤独を守る空間 完全なプライバシーは…

「建築と感情。なぜ空間に“心を動かされる”のか」

建築と感情。なぜ空間に“心を動かされる”のか 感情をつくるのは素材でも形でもない ある空間に入った瞬間、なぜか落ち着く。 ある建物を見たとき、なぜか胸が熱くなる。 その感情は、形や素材だけで説明できるものではありません。 光と感情の関係 やわらか…

建築と身体。五感で感じる“空間の記憶”

建築と身体。五感で感じる“空間の記憶” 空間は目で見るものではなく、身体で感じるもの 建築を理解するとは、図面を読むことではありません。 風の流れ、床の硬さ、手すりの温度──。 私たちは身体を通して空間を記憶しています。 住宅と身体の関係 朝の光で…

建築と再生。壊すことから始まる、新しいデザイン

建築と再生。壊すことから始まる、新しいデザイン 壊すことは“終わり”ではない 建築が壊されると聞くと、多くの人は悲しさを感じます。 しかし建築における「壊す」は、単なる破壊ではなく“再生のはじまり”でもあります。 建築は、使われ方を変えながら何度…

建築と孤独。ひとりの時間を支える空間の力

建築と孤独。ひとりの時間を支える空間の力 孤独はネガティブではない 孤独という言葉には、どこか寂しさのイメージがあります。 しかし本来、孤独は「自分と向き合う時間」であり、創造の源でもあります。 建築は、その“ひとりの時間”をどう支えるかを常に…

建築と記憶。人の想いを“かたち”として残すということ

建築と記憶。人の想いを“かたち”として残すということ 建築は時間の中に生き続ける 建物は完成した瞬間がゴールではありません。 人が暮らし、使い、手を加えながら、少しずつ記憶を刻んでいきます。 建築とは、記憶の入れ物でもあるのです。 住宅に刻まれる…

「建築と距離感。人と空間の“ちょうどいい間”をつくる」

建築と距離感。人と空間の“ちょうどいい間”をつくる 距離感は“安心感”をつくる要素 人と人、人と建物の間には、見えない“距離”があります。 近すぎても息苦しく、遠すぎても孤独になる。 建築はこの微妙な距離感を、空間として形にしていく行為です。 住宅に…

「建築と言葉。図面だけでは伝わらない“意味”を設計する」

建築と言葉。図面だけでは伝わらない“意味”を設計する 言葉は設計のはじまり 建築家の仕事は、線を引くことから始まるように見えます。 しかし実際には、最初の一言がすべてを決めることがあります。 「落ち着いた空間」「軽やかな家」「街に開く」──それぞ…

「時間をデザインする建築。流れる瞬間を形にする」

時間をデザインする建築。流れる瞬間を形にする 建築は“空間”だけを扱うものではない 多くの人が、建築は形をつくる仕事だと思っています。 しかし本質的には、そこに流れる「時間」もデザインしているのです。 朝の光、昼の影、夕暮れの空気。それらは時間…

「建築は“気配”をデザインする。目に見えない安心感とつながり」

建築は“気配”をデザインする。目に見えない安心感とつながり 気配とは何か? ドア越しに人の存在を感じる、廊下の向こうで家族の気配がする。 建築は「見えないけれど感じられる」気配をどう扱うかで、その居心地が大きく変わります。 住宅における気配のデ…

「建築は“匂い”もデザインできる。五感に届く空間づくり」

建築は“匂い”もデザインできる。五感に届く空間づくり 匂いは空間体験の一部 建物に入った瞬間に感じる“匂い”は、その空間の第一印象を大きく左右します。新築の木の香り、カフェのコーヒーの香り、ホテルのロビーに漂うアロマ。建築は視覚だけでなく嗅覚に…

「風をデザインする建築。心地よさと都市のリズムを生む力」

風をデザインする建築。心地よさと都市のリズムを生む力 風は建築の隠れた主役 建築を考えるとき、多くの人が光や素材を意識しますが、“風”をどう扱うかもとても重要です。風は体感温度を変え、暮らしや街にリズムを与えます。 住宅における風の工夫 窓の配…

「吹抜けは寒い」は本当?誤解されがちな大空間の真実

## 吹抜け=寒いというイメージ 家づくりの相談で必ず出るのが「吹抜けにすると冬は寒いんですよね?」という声です。 広い空間は冷暖房が効きにくい、というイメージが強いからでしょう。 吹抜けがもたらす快適性 しかし現代の住宅性能を踏まえれば、吹抜け…

“眺望がいい土地”が、逆に住みにくくなる理由

「高台だから景色がいい!」 「公園が目の前で、開放感抜群」 「抜けのある眺望が決め手でした」 ──そんな魅力で選ばれる“眺望のいい土地”。 でも実は、それが住みにくさを生む原因になることもあります。 眺望のいい土地に潜むリスク 周囲に遮るものがない…

“無駄に見える廊下”に、実は一番価値がある理由

家の設計を考えるとき、 「できるだけ無駄を省きたい」という声をよく耳にします。 その中で最も「無駄」とされがちなのが、廊下。 ですが── 本当にいい家には、いい“廊下”がある。 これが建築家の視点です。 なぜ廊下は、暮らしに必要なのか? 空間と空間を…

住宅の先にある、路地や広場を育てる設計

家を設計する。 それは、建物の中だけを考えることではありません。 建築家の視点では、 「家の外に広がる空間──路地、庭、広場──もまた設計対象」 だと考えています。 なぜ路地や広場を意識するのか? 家のアプローチや前庭が、街に柔らかな印象を与える 路…

建築は“建てる”だけではない。

“関係”を編みなおすこと 建築は、「建てる」ことだと思われがちです。 しかし、建築家の視点から見ると── 「建てること」よりも、 「人と空間、人と街、人と自然との“関係”を編みなおすこと」 こそが、本質だと感じます。 建築が編みなおす“関係”とは? 住ま…

“眺望がいい土地”が、逆に住みにくくなる理由

「高台だから景色がいい!」 「公園が目の前で、開放感抜群」 「抜けのある眺望が決め手でした」 ──そんな魅力で選ばれる“眺望のいい土地”。 でも実は、それが住みにくさを生む原因になることもあります。 眺望のいい土地に潜むリスク 周囲に遮るものがない…

住宅設備に“こだわりすぎる人”が見落としがちなこと

家づくりの打ち合わせが進むと、 最新のキッチン、ハイスペックなバスルーム、床暖房… つい住宅設備に意識が向きがちです。 でも、設備にこだわりすぎると── 本当に大事なことを見落としてしまう。 建築家はそう感じています。 設備だけにこだわると起きるこ…