住宅設計
「間取りをつくらない家」という選択肢 家づくりの相談を受けていると、最初に必ず出てくる言葉があります。 「間取りを考えてきました」 A4用紙にギッシリ書き込まれた四角の集積。 でも、その多くは“暮らしの未来”ではなく、“過去に見た家の記号”の寄せ集…
香川で“建築家に依頼する意味”はどこにあるのか 香川は、全国でも珍しい「建築の余白」が豊かな土地です。 都市ほど過密ではなく、郊外ほど単調でもない。 光の入り方、風の通り道、高低差、地域の空気感── この微妙な条件が建築の質に大きく影響します。 KA…
地方の未来は“建築”によって変わるのか 香川で建築家として活動していると、「地方は都市より建築文化が育ちにくい」という声を耳にします。しかし実際には、香川は建築家にとって“設計の自由度が最も高い環境”でもあります。 理由は明快で、風景の密度と敷…
建築とノイズ。不完全さがつくる美しさ ノイズとは、余白のこと 建築で言う“ノイズ”とは、設計の誤差でも欠陥でもありません。 むしろ、整いすぎない余白、つまり「人が感じる隙間」のことです。 そこにこそ、建築の魅力が生まれます。 完璧すぎる空間は、ど…
建築と風景。風景を“つくる”のではなく、“受け入れる”ということ 建築は風景を支配しない かつて建築は「風景を変えるもの」として語られてきました。 しかし本来、建築は風景の一部であり、その中に静かに溶け込む存在です。 主張ではなく、調和こそが“美し…
建築と他者。孤独とつながりのあいだにある空間 建築は“人と人の距離”をデザインする 建築の本質は、形ではなく関係にあります。 他者との距離感をどうつくるか。 そのわずかな間合いが、空間の居心地を決定づけます。 孤独を守る空間 完全なプライバシーは…
建築と感情。なぜ空間に“心を動かされる”のか 感情をつくるのは素材でも形でもない ある空間に入った瞬間、なぜか落ち着く。 ある建物を見たとき、なぜか胸が熱くなる。 その感情は、形や素材だけで説明できるものではありません。 光と感情の関係 やわらか…
建築と身体。五感で感じる“空間の記憶” 空間は目で見るものではなく、身体で感じるもの 建築を理解するとは、図面を読むことではありません。 風の流れ、床の硬さ、手すりの温度──。 私たちは身体を通して空間を記憶しています。 住宅と身体の関係 朝の光で…
建築と再生。壊すことから始まる、新しいデザイン 壊すことは“終わり”ではない 建築が壊されると聞くと、多くの人は悲しさを感じます。 しかし建築における「壊す」は、単なる破壊ではなく“再生のはじまり”でもあります。 建築は、使われ方を変えながら何度…
建築と孤独。ひとりの時間を支える空間の力 孤独はネガティブではない 孤独という言葉には、どこか寂しさのイメージがあります。 しかし本来、孤独は「自分と向き合う時間」であり、創造の源でもあります。 建築は、その“ひとりの時間”をどう支えるかを常に…
建築と記憶。人の想いを“かたち”として残すということ 建築は時間の中に生き続ける 建物は完成した瞬間がゴールではありません。 人が暮らし、使い、手を加えながら、少しずつ記憶を刻んでいきます。 建築とは、記憶の入れ物でもあるのです。 住宅に刻まれる…
建築と距離感。人と空間の“ちょうどいい間”をつくる 距離感は“安心感”をつくる要素 人と人、人と建物の間には、見えない“距離”があります。 近すぎても息苦しく、遠すぎても孤独になる。 建築はこの微妙な距離感を、空間として形にしていく行為です。 住宅に…
建築と言葉。図面だけでは伝わらない“意味”を設計する 言葉は設計のはじまり 建築家の仕事は、線を引くことから始まるように見えます。 しかし実際には、最初の一言がすべてを決めることがあります。 「落ち着いた空間」「軽やかな家」「街に開く」──それぞ…
時間をデザインする建築。流れる瞬間を形にする 建築は“空間”だけを扱うものではない 多くの人が、建築は形をつくる仕事だと思っています。 しかし本質的には、そこに流れる「時間」もデザインしているのです。 朝の光、昼の影、夕暮れの空気。それらは時間…
建築は“気配”をデザインする。目に見えない安心感とつながり 気配とは何か? ドア越しに人の存在を感じる、廊下の向こうで家族の気配がする。 建築は「見えないけれど感じられる」気配をどう扱うかで、その居心地が大きく変わります。 住宅における気配のデ…
建築は“匂い”もデザインできる。五感に届く空間づくり 匂いは空間体験の一部 建物に入った瞬間に感じる“匂い”は、その空間の第一印象を大きく左右します。新築の木の香り、カフェのコーヒーの香り、ホテルのロビーに漂うアロマ。建築は視覚だけでなく嗅覚に…
風をデザインする建築。心地よさと都市のリズムを生む力 風は建築の隠れた主役 建築を考えるとき、多くの人が光や素材を意識しますが、“風”をどう扱うかもとても重要です。風は体感温度を変え、暮らしや街にリズムを与えます。 住宅における風の工夫 窓の配…
## 吹抜け=寒いというイメージ 家づくりの相談で必ず出るのが「吹抜けにすると冬は寒いんですよね?」という声です。 広い空間は冷暖房が効きにくい、というイメージが強いからでしょう。 吹抜けがもたらす快適性 しかし現代の住宅性能を踏まえれば、吹抜け…
「高台だから景色がいい!」 「公園が目の前で、開放感抜群」 「抜けのある眺望が決め手でした」 ──そんな魅力で選ばれる“眺望のいい土地”。 でも実は、それが住みにくさを生む原因になることもあります。 眺望のいい土地に潜むリスク 周囲に遮るものがない…
家の設計を考えるとき、 「できるだけ無駄を省きたい」という声をよく耳にします。 その中で最も「無駄」とされがちなのが、廊下。 ですが── 本当にいい家には、いい“廊下”がある。 これが建築家の視点です。 なぜ廊下は、暮らしに必要なのか? 空間と空間を…
家を設計する。 それは、建物の中だけを考えることではありません。 建築家の視点では、 「家の外に広がる空間──路地、庭、広場──もまた設計対象」 だと考えています。 なぜ路地や広場を意識するのか? 家のアプローチや前庭が、街に柔らかな印象を与える 路…
“関係”を編みなおすこと 建築は、「建てる」ことだと思われがちです。 しかし、建築家の視点から見ると── 「建てること」よりも、 「人と空間、人と街、人と自然との“関係”を編みなおすこと」 こそが、本質だと感じます。 建築が編みなおす“関係”とは? 住ま…
「高台だから景色がいい!」 「公園が目の前で、開放感抜群」 「抜けのある眺望が決め手でした」 ──そんな魅力で選ばれる“眺望のいい土地”。 でも実は、それが住みにくさを生む原因になることもあります。 眺望のいい土地に潜むリスク 周囲に遮るものがない…
家づくりの打ち合わせが進むと、 最新のキッチン、ハイスペックなバスルーム、床暖房… つい住宅設備に意識が向きがちです。 でも、設備にこだわりすぎると── 本当に大事なことを見落としてしまう。 建築家はそう感じています。 設備だけにこだわると起きるこ…